「フルーティーなアランが放つ、もう一つの顔。小型樽とピートが織りなす極上の焚き火」
青リンゴや洋梨のような華やかな果実味で、世界中のウイスキーファンから愛されているスコットランドのアラン蒸留所。その新しい蒸留所長であるスチュワート・ボウマン氏が手がける限定コレクション「シグネチャーシリーズ」から、待望の第2弾が登場しました。
それが、「アラン バレルボンファイア(Arran Barrel Bonfire – Signature Series Edition 2)」です。
第1弾の「レムナント レネゲード」が余剰原酒を集めた奇跡のブレンドだったのに対し、この第2弾はアランとしては非常に珍しい「ヘビリーピーテッド麦芽(フェノール値42ppm)」を使用した11年熟成のシングルモルト。さらに、アメリカ・シカゴのコーヴァル(Koval)蒸留所で使われていた小型の「クォーターカスク」で長期間後熟させることで、「バレルボンファイア(樽の焚き火)」という名にふさわしい、スモーキーでスパイシーな1本に仕上がっています。
今回は、妻が奮発して焼いてくれた「ペッパーヒレステーキ」に、この煙とスパイスが弾ける特別なアランを合わせる、贅沢で活気あふれる週末の晩酌風景をお届けします。
我が家の晩酌ノオト:妻のペッパーヒレステーキと、アランの焚き火
週末の夜。キッチンから、お肉がジュージューと焼ける音とともに、粗挽きの黒胡椒(ブラックペッパー)の刺激的で食欲をそそる香りがリビングまで漂ってきました。
テイスティング・レポート

2012年に蒸留されたフェノール値42ppmのピーテッド麦芽を使用。バーボン樽で約5年半熟成させた後、シカゴ・コーヴァル蒸留所の115リットル・クォーターカスク(小型樽)でさらに5年半熟成させた11年モノ。アルコール度数は50.0%で、全世界約14,800本の限定リリースです。
香り(Nose)
グラスに注ぐと、まずは土っぽさ(アーシー)を伴う力強いピートスモークと、灰のような焚き火の香りが立ち上がります。しかしその煙の奥深くから、アラン本来の酒質であるレモンやオレンジのようなシトラスの爽やかさと、クォーターカスク由来のバニラ、キャラメルの甘いアロマがしっかりと主張してきます。
味わい(Palate)
アルコール度数50%の力強いアタック。口に含むと、しっかりとしたピートの煙とほろ苦さが広がりますが、すぐさま濃厚なバニラクリームやハチミツの甘みがそれを包み込みます。小型樽ならではの木との接地面積の多さからくる、温かいオークのスパイスや黒胡椒のニュアンスが、オイリーでクリーミーなテクスチャーの中に複雑に絡み合います。
余韻(Finish)
バニラやレモネードのような心地よい甘みが引いた後、クローブやオークのスパイシーさと、燃えさしのようなピートスモークが中〜長程度、口の中に温かく残ります。
【テイスティング総評】
アランといえばノンピートの華やかな果実味が代名詞ですが、このバレルボンファイアは「ピートを纏ってもアランの芯はブレない」ことを証明する傑作です。強烈な煙とウッディなスパイスがありながらも、根底にはアランらしいシトラスやバニラの甘さが確かに存在しており、度数50%とは思えないほどのバランスの良さと飲みごたえを誇ります。
おすすめの飲み方とペアリング
煙とスパイスのパンチを味わう「ストレート」と「ハイボール」
50%の度数とクォーターカスクの複雑なスパイスをじっくり解き明かすなら、まずは少量の加水をしながらの「ストレート」がおすすめです。一方で、ステーキなどの肉料理と合わせる際は、ピートの煙が炭酸で弾ける「ハイボール」にすると、極上の食中酒へと変化します。
至高のペアリング:ペッパーヒレステーキ
今回は、赤身の旨味が詰まった柔らかなヒレ肉に、たっぷりの粗挽き黒胡椒を効かせて香ばしく焼き上げた「ペッパーヒレステーキ」に、バレルボンファイアのストレート(または少し濃いめのハイボール)を合わせてみます。
ヒレ肉の柔らかな旨味と黒胡椒の刺激を、ピーテッドアランの力強い煙とバニラの甘みが包み込む。フルーティーなだけではない、アランの新たな魅力を存分に引き出す至高の肉ペアリングです。
アラン バレルボンファイアをおすすめする方
- アラン10年などが好きで、アランが造る「ピーテッドタイプ」の味わいに興味がある方
- 強めのピートスモークと、バニラやシトラスの甘みが合わさった「甘煙ウイスキー」が好きな方
- ペッパーを効かせたステーキや、スモーク肉、バーベキュー料理とウイスキーを合わせたい方
- クォーターカスク(小型樽)特有の、ウッディでスパイシーな力強い味わいを楽しみたい方
まとめ:樽の焚き火が照らす、贅沢な週末の夜

シグネチャーシリーズ第2弾として、アランのフルーティーな酒質とピーテッド麦芽、そして小型樽の魔法が見事に融合した「アラン バレルボンファイア」。
その名の通り、焚き火のようなピートスモークとウッディなスパイスは、ペッパーを効かせたヒレステーキと合わせた時、お互いの香ばしさを極限まで高め合う、想像を超えたワイルドで贅沢な時間を演出してくれました。
明日もまた、素晴らしいウイスキーとの出会いがありますように。乾杯。
