日本のウイスキーを語る上で、山崎と双璧をなすサントリーの代表的なシングルモルト。南アルプスの山々に抱かれた「森の蒸留所」から生み出される、世界でも類を見ないほど爽やかなウイスキーがあります。
それが、美しい新緑のボトルに包まれた「サントリー シングルモルトウイスキー 白州(ノンエイジ)」です。
世界的なジャパニーズウイスキーブームにより、現在ではスーパーや酒屋の店頭で見かけることすら難しくなった幻の1本。しかし、運良く手に入れたなら、飾っておくのではなくぜひ日本の家庭料理と合わせてその真価を味わっていただきたい銘柄です。
今回は、この森の香りをまとった爽快な白州を、妻が丁寧に仕込んでくれた「ナスの焼きびたし」と合わせる、夏の疲れを癒やすような涼やかな晩酌風景をお届けします。
我が家の晩酌ノオト:茄子の焼きびたしと、新緑のウイスキー
週末の夜。キッチンからごま油の香ばしい匂いとお出汁の良い香りが漂ってきたかと思うと、よく冷えた小鉢を手にした妻がリビングへやってきました。
テイスティング・レポート

南アルプスの天然水で仕込まれ、森の乳酸菌の働きと木桶発酵によって生み出される白州の原酒。このノンエイジボトルは、ライトリーピーテッド(軽いスモーキーさ)のモルト原酒を中心に、多彩な原酒をヴァッティングして造られています。アルコール度数は43%です。
香り(Nose)
グラスに注ぐと、まず青リンゴやスダチを思わせる、非常にフレッシュでみずみずしい果実の香りが立ち上がります。続いて、スペアミントや若葉のような清涼感、そして森の奥の焚き火を思わせる、かすかで上品なピートスモーク(煙たさ)が鼻をくすぐります。
味わい(Palate)
口当たりは驚くほど軽快でクリスピー。かすかな酸味を伴うフルーティーな甘みが広がった後、クッキーのようなモルトの香ばしさが顔を出します。アルコールの角は綺麗に取れており、まるで森の中の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んだような、透明感のある味わいです。
余韻(Finish)
ミントのような清涼感と、ほのかなスモーキーさが口の中をスッキリとリセットし、キレ良く短めに消えていきます。この「潔いキレ」こそが、白州最大の魅力です。
【テイスティング総評】
「爽快」という言葉をウイスキーの形にしたような、見事な完成度です。重厚なシェリー樽熟成や強烈なアイラモルトとは対極にある、繊細で涼やかな日本の美意識が詰まっています。ウイスキー特有の重さがないため、普段ウイスキーを飲み慣れない方でもスッと受け入れられる親しみやすさを持っています。
おすすめの飲み方とペアリング
森の香りを弾けさせる「ハイボール」
白州のフレッシュな青リンゴ香とミントの清涼感を最大限に活かすなら、何と言っても「ハイボール(森香るハイボール)」が絶対の正解です。炭酸が弾けることで森の香りが一気に花開き、食中酒としてこれ以上ないほどの爽快感をもたらしてくれます。お好みでフレッシュなミントの葉を一枚叩いて入れると、さらに爽やかさがアップします。
至高のペアリング:ナスの焼きびたし

今回は、ごま油で香ばしく焼かれ、旨味たっぷりのお出汁を吸い込んだトロトロの「ナスの焼きびたし」に、白州のハイボールを合わせてみます。
ナスの油とお出汁の旨味を、白州の爽快なハイボールがリセットし、かすかなスモーク香が料理の香ばしさを引き立てる。日本の食卓だからこそ味わえる、究極の「和のマリアージュ」です。
白州(ノンエイジ)をおすすめする方
- 青リンゴやミントのような、フレッシュで爽やかな香りのウイスキーが好きな方
- 食事の味を邪魔しない、スッキリとしたハイボールを食中酒として楽しみたい方
- お出汁の効いた和食や、天ぷら、焼き鳥などとウイスキーを合わせるのが好きな方
- ジャパニーズウイスキーの繊細なブレンド技術を、スタンダードな1本で体感したい方
まとめ

南アルプスの豊かな森と水が育んだシングルモルト「白州」。
その爽快で瑞々しい味わいは、ウイスキーという飲み物の概念を覆すほどの軽やかさに満ちています。ナスの焼きびたしという、素朴でありながら旨味の詰まった和食とのペアリングは、日本の風土が生んだもの同士の完璧な調和を見せてくれました。
グラスに白州をストレートで少しだけ注ぎ、その清々しい森の香りに身を委ねながら、静かに更けゆく夜を楽しもうと思います。明日もまた、素晴らしいウイスキーとの出会いがありますように。乾杯。
