ウイスキー売り場でひときわ目を引く、赤い蝋(ろう)で封がされた特徴的なボトル。バーボンの名酒「メーカーズマーク」です。
原料にライ麦ではなく「冬小麦」を使用することで生まれる、ふっくらとした優しい甘みが特徴のこのウイスキー。実は、冬の時期になると少しだけ「おめかし」をして店頭に並ぶのをご存知でしょうか。今回は、そんな冬の風物詩とも言えるメーカーズマークの魅力と、その甘さを引き立てる極上のペアリングをご紹介します。
我が家のメーカーズマーク晩酌ノオト
週末の買い出しで訪れた、いつものスーパーのお酒コーナーでのこと。
マフラーを巻いた可愛らしいボトルを買い物かごに入れ、帰る頃にはすっかり今夜の晩酌への期待が高まっていました。
テイスティングレポート:「メーカーズマーク」の本格レビュー

バーボン初心者から愛好家まで、広く愛されるふくよかな味わい。ストレートでじっくりとその特徴を探っていきます。
香り(Nose)
グラスに注ぐと、バニラのような甘い香りの奥に、少し「桃」を思わせるような、ほんのりと酸味のある熟したフルーティーさを感じます。バニラの甘香とバランスがよく取れており、すごく甘いのにフルーティーさのおかげで決してしつこくありません。
※バーボン初心者の方は、最初は少しセメダインのような溶剤香を感じるかもしれませんが、慣れてくると不思議とフルーティーさやバニラ、オークの心地よい香りに感じられるようになります。
味わい(Palate)
口に含むと、バニラやチョコレートのような濃厚な甘さの中に若干のフルーティーさが広がり、そこからピリッとした心地よいスパイシーさが現れます。刺激が強すぎるということはなく、非常に飲みやすい口当たりです。
余韻(Finish)
焦がしたオーク樽の香ばしさと、小麦由来のふんわりとした優しい甘みが、心地よい温かさとともにじんわりと長く続きます。
【テイスティング総評】
ガツンとくる無骨な飲みごたえというよりは、飲み手を「優しく包みこんでくれる」ようなバーボンです。なめらかでクリーミー、そしてフルーティー。まさに冬の夜にゆっくりと味わいたい、癒し系の一本と言えます。
おすすめの飲み方とペアリング
メーカーズマークは、飲み方によって表情を豊かに変えてくれます。それぞれの飲み方に合わせたペアリングをお楽しみください。
オン・ザ・ロックス × オランジェット
冷やすと香りは若干落ち着きますが、優しいバニラ香はしっかりと拾えます。口に含むと「ミルクチョコレート」のようなクリーミーな甘さとバニラ香、そして焦がしたオーク感が際立ち、ストレートよりも甘味が強まり滑らかになります。氷が溶け始めると少しビターさが出てきますが、味わいの変化をゆっくり楽しむのも一興です。
【おすすめペアリング】
ロックには、オレンジやレモンピールをチョコレートでコーティングした「オランジェット」が抜群に合います。ピールのほろ苦さと甘さが、メーカーズマークのミルクチョコのようなクリーミーさと見事に調和する至福の組み合わせです。
ハイボール × 煮込みハンバーグ
炭酸で割ると、非常にスッキリとした味わいになり、ほんのりとした優しい甘味が長く続きます。ビターさがほとんどないため、「スコッチのハイボールよりも飲みやすい」と感じる方も多いはずです。
【おすすめペアリング】
晩酌で合わせるなら、「煮込みハンバーグ」のような濃厚な味わいかつジューシーな肉汁たっぷりの料理が最適です。ステーキなら、ペッパー系よりも「甘めのステーキソース」がおすすめ。お肉の濃厚な旨味を、優しい甘さのハイボールがふんわりと包み込んでくれます。
メーカーズマークをおすすめする方
- ウイスキー初心者の方:刺激が少なく、バニラやチョコレートのような分かりやすい甘さがあります。
- スコッチのハイボールが少し苦手な方:苦味や煙たさがなく、優しい甘さのハイボールを楽しめます。
- 食後のデザート感覚でお酒を楽しみたい方:ロックにしてチョコレート系のスイーツと合わせると格別です。
- 肉料理に合う、すっきりしつつもコクのあるお酒を探している方。
まとめ

冬の装いで食卓を彩ってくれた「メーカーズマーク」。ふっくらとした小麦の甘さと、バニラや桃を思わせるフルーティーな香りは、冷え込む夜にホッと一息つかせてくれる、優しさに満ちたウイスキーでした。
記事の執筆を終えてパソコンを閉じると、ふっと肩の力が抜けるのを感じます。窓の向こう、四国の静かな冬の夜空を見上げながら、今夜の最後の一杯を選ぶ時間。マフラーを巻いた可愛らしいボトルにふと目が留まり、思わず口元が緩みます。
今夜は、氷を一つだけ入れたグラスにメーカーズマークを注ぎ、オランジェットを少しだけつまみながら、このクリーミーな甘さにどっぷりと浸かろうと思います。明日もまた良い一日になりますように。静かな夜に、乾杯。
